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□早起き計画(2/24)
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今日はいつもより20分以上早く起きた。
すがすがしい朝日の中をのんびり歩いていると、
前方によみはっけーん!

よみのもとに駆け寄りながら声をかける。
「よみー、おはよー!!」

私に気づいたよみは振り向いて私が追いつくのを待っている。

「ともか、おはよう。」

私が到着するとよみはそう言って、またゆっくり歩き始める。

「どうしたんだ?今日は早いじゃないか。 何か変なもんでも拾い食いしたか?」

むっ失礼な!!
犬じゃないんだぞ!!

早起きするために実行した、このともちゃんの天才的計画に驚くがいい。
そしてひれ伏せっ!!


「へっへーん。昨日は早起きするために早く寝たもんねっ。」

「ほう。何時だ?」

「8時!!」

「子どもかっ!!」

よみはひれ伏すどころかツッコミをいれてきた。


「いつもの時間に寝てたら絶対起きられないんだもん。お母さんも起こしてくれないし。」

お母さんは私の寝起きの悪さにすっかり諦めているらしい。



あっ!名案思いついたっ!!

「じゃあよみが起こしてくれたらいいじゃん。」

「今まで何度もモーニングコールしたが、お前は着信音にも気づかず結局遅刻だっただろ。」

「だからぁ家まで起こしに来てってこと。」

「何で私がそんな面倒なこと…。」

よみはメガネを白くして、はぁ〜と溜め息を付いた。


「だってさぁよみと居る方が夢見てるより楽しいから、きっと夢の魅力にも勝てちゃうと思うんだよね。」

「…。」

「なんなら可愛い寝顔のともちゃんにおはようのキッスをしてもいいんだぜ。 あれ?それって新婚生活じゃん?ってことは、新妻のよみが裸エプロンでご飯作ってんの?わはは、似合わねー!!」

「…。」


たっぷりのツッコミどころを盛り込んだ私の言葉に、てっきりいつもみたく怒鳴ってくると思ったのに…。
よみは無言のまま歩くスピードを少しあげた。


「あれ?よみぃ?ちゃんとつっこんでよ〜。」

「うるさい!」


斜め後ろから見えるよみの耳は少し赤い気がした。
具合でも悪いんかな?


「ね、よみってばー!ちょっ、速いって!!待ってよ〜。」

「…バカ//」

「え、何?聞こえないって。」

どんどん速度をあげるよみが何か呟いたみたいだけど、この距離じゃ聞こえなかった。

仕方ないから走って追いつくことにしよう。
まったく、今日の私は走ってばっかだ。


このセクシーで愛らしいともちゃんを2回も走らせた罪はきっと償わせてやる。
覚悟しとけよー!!






END.
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