ハートの国のアリス

□オリジナル
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いつもの真っ赤な派手な衣装とは違うが、気品漂う綺麗な女性が立っていた。

「ビ、ビバルディ!?」
「アリス久しぶりではないか!」

ツカツカ店中央まで進んできて、ぎゅっと余所者に熱い包容する。

「店の外からアリスが見えたぞ!」

こんなに近くで、女王を見る事なんて初めてで汗が背中をつたうのがはっきりと分かる。
あの、女王が目と鼻の先にいるのだ…。

「あの辛気臭い時計屋の所にいるのも飽きたのか?ならば私の城にくればいい!」
「そんな事ないわよ。」

余所者も王女の突然の登場に驚いている様子だ。

「なんじゃ、つまらんの!どうじゃアリス、この後お茶でもいかんか?」
「そうね…少しなら。」

女王と対等に話している…。
あの噂は本当だったと思い知る。女王に首をはねられないなんて…。

「ちょっと待っていてくれる?今コーヒー豆を買っている所だから。」

ハッと我に返る。女王に圧倒され手が止まっていた。

「こやつ全然仕事をしておらんではないか。」

そんなことはない。女王がくるまでは真面目に接客をして、コーヒー豆を売り込んでいた。

「仕事をしない奴は嫌いじゃ…あの馬鹿二人を思いだしてしまう…。」
余所者もその二人かすぐに思いついたのか乾いた笑いをする。
それでも雲行きが怪しい…。

「アリスこやつを打ち首にしてやろう…」
「!!!」


手に持っていた豆を落としそうになる。
確かに、俺の代わりなんて履いて捨てる程いる。
その程度の命だ。でも、命の宣告をされると驚くものだな。…少しはこの命が惜しいと思う。
なんて考えていた。

「ちょっ、ちょっと待って!」

余所者の声が店の中で響く。

「なんじゃアリス…。この辛気臭い店をアリスの為に、真っ赤に染めてやろうと思ったのじゃが。」
「ぃっ、いいわよ!」

真っ赤と言うのは言わなくても、俺の血の事…………


手に持っていた豆を落としそうになる。
確かに、俺の代わりなんて履いて捨てる程いる。
その程度の命だ。でも、命の宣告をされると驚くものだな。…少しはこの命が惜しいと思う。
なんて考えていた。


「ちょっ、ちょっと待って!」

余所者の声が店の中で響く。

「なんじゃアリス…。この辛気臭い店をアリスの為に、真っ赤に染めてやろうと思ったのじゃが。」
「ぃっ、いいわよ!」


余所者が焦っているのが目に見えて分かる

「ほら、これからお茶に行くのに血生臭いのも嫌じゃない!」
「それか?妾はそれはそれで良いと思うが。」
「私がいやなのよ!」

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