ハートの国のアリス
□空間
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「遊びに行ってこい……」
さっき以上の深いしわ。
むしろまだその質問でなやんでいたなんて…。
ユリウスから異性とのデートが許れるとは。
自分が本当に何かをしてしまったのではないかと不安になってしまう。
「私本当にあなたの邪魔したかしら?」
「だから、そう言う訳では無い。」
「だったら何故?前みたいに他の領土に行けって事…?」
思わず不安になる。
「ち・違う!そんな事は無い………ぃゃ。お前がそうしたいなら、俺はお前を止める権利は無いが……。」
アリス以上にユリウスが不安そうな顔をする。
強気に引き留めて欲しいとも思うが、でも、それでもユリウスが不安がってるのが嬉しかったりもする。
それだけ必要とされてる証だから。
私も末期だわ…。
こんな事で嬉しいなんて…。
「はぃ、凹まないで!」
パンと手をたたいて気分を切り替える。
ハッとユリウスもアリスの顔を見る。
「ユリウスに、ユリウスらしくないセリフを言わせた理由は何かしら?」
「…お前が外を見ているからだ…」
渋々という感じでしゃべりだした。
「お前は気付いていないのかもしれないが、よく外を見ている…。」
「私そんなに外見てるかしら?」
「あぁ…今も。」
言われるまで確かに気付いていなかった。そんなに外を見ていた事なんて。
確かに、時間帯を気にしたり、街はどうなっているか、などが気になって何度か窓の外を気にはしたが、無意識にそんなに気にしているとは思っていなかった。
「私はお前とのこの時間が好きだ。でまお前はどうなのかと思い…。」
ユリウスもアリスと同じ思いでいてくれていのだ。
それが何よりも嬉しい。
それにアリスの事を考えてくれている…。顔が赤くなるのが分かる…。
さらっと甘い言葉言わないでほしいわ…。自分で言われたら恥ずかしがるくせに…。
こんなに考えてくれた事が嬉しい…。
そんな思いを無駄にしてはいけない気がした。