ハートの国のアリス
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時間
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別に迷った訳では無い…
アリスは自分の心にそう言い聞かす。
だってこの道を真っ直ぐ行けば、
今私が滞在してるハートの城に着くもの。
そう、道は分かっている。簡単な一本道だ。なのにアリスは立ち止まったままその場を動かない。
エースのテント…。
ハートの城の騎士、エースのテントがセットされてそこにはあった。
テントの家主は見あたらない。
薪でも集めに行ったのかしら。
焚き火は醍醐味だよな。
そんな事を言っていた気もする。
少し待ってれば会えるかしら…。
いや…別に会いたい訳じゃないのよ…。
ただもう何時間帯も会って無いから心配なだけで。
色々な言い訳がアリスに間と割りつく。
思いつく限りの言い訳を独り言でつぶやき切ったあと、小さくため息をついた。
こんな事を悩む様なやつじゃ無かったわ、昔の私は。
そんなアリスらしくない事を何分考えてしまっただろうか。
悩んでても無駄ね…。こうなったらエースの顔を拝まなきゃこの悩んでた時間が無駄ね。
そう思いエースを待つ事を決め込んだ。
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