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□ガラスの靴もないのに
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お姫さまの要素なんて何一つもないのにジーノは私をいつだってお姫さま扱いする。


「どうしたんだい?」


本を捲るジーノを見ていたら視線に気が付いた本人が首を傾げた。


「どうしてジーノは私をお姫さま扱いしてくれるの?」


お姫さまみたいにきらきら可愛いわけでも取り分けなにかがずば抜けてできるわけでもない。
それに性格だって万人に愛されるような性格なんかじゃない。


「そんなの決まってるじゃないか。
君は僕の愛しい恋人なんだからね。
王子の恋人はお姫さまだろ?」


にこにこ笑いながら私の頬にキスをするジーノは自称ではなく本物の王子さまみたいだ。

それに比べて私は......

自分を見下ろして溜め息が漏れた。
ジーノの言葉に嘘はないんだけど、自分に納得ができない。

もっと努力しないと....
ダイエットして礼儀作法もちゃんと身に付けよう。

そう心に決めていると溜め息が聞こえ、自分の乏しい胸から視線を外してジーノを見上げた。


「....いいかい?」


喋りながらジーノは私の右手を優しく自分の方へ引き寄せた。
けど視線は私から絶対に外さないでいる。


「女の子は生まれたときから誰かのお姫さまなんだよ。
そして君は僕の掛け替えのないお姫さまなんだ。
だからそんなに自分を嫌わないであげて。」


眉尻を下げて困ったような顔をしながらも微笑んでいるジーノは、引き寄せていた私の手を口元に運んでそこにキスをした。


「君は十分可愛いお姫さまだよ。」


「.......ジーノがそう言うなら信じてみる。」


それに“女の子は生まれたときから誰かのお姫さまなんだよ”って言葉が凄く胸に響いた。
世間一般からみたらお姫さまには程遠いだろうけど、ジーノがそう思っていてくれるならお姫さまになれるかもしれない。


「うん、信じてみてよ。」


今度は困った顔なんかじゃない微笑を浮かべて、唇に触れるだけのキスをした。





ガラスの靴もないのに


お姫さま扱いしてくれて、愛してくれる王子さま






あとがき

ジーノ企画夢『Bambi』に提出させていただけます><

ジーノのセリフにある「女の子は生まれたときから誰かのお姫さまなんだよ」はとある少女マンガのを拝借しています.....
だってジーノのためにあるセリフに思えませんか!?これっ!
とまぁ、楽しく書かせていただきました。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

2011/03/10/14:48



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