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□あなたの色に犯される
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2人用のこじんまりしたダイニングテーブルのイスに腰を下ろして部屋を見渡す。
ここ数週間で私の部屋は恐ろしいほど様変わりしていた。
私好みの部屋に鎮座している数々の物品は異端者並みに浮くはずが、おかしなくらいピッタリと合っていて、初めからそこにいたかのように澄ました顔をしている。
まるでそれらを持ち込んできた張本人のように。

はぁー。と盛大な溜め息を吐くのとほぼ同時にガチャリ。と玄関の鍵が開く音がした。
玄関へと続くドアをしばらく見ていると足音が徐々に近づいてきて、ドアが開いた。


「飯。」

「帰宅早々の言葉が単語って....アンタ何様?」

「赤崎様」

「きーっ!平然と言ってのけやがってちくしょーめ!」

「きゃんきゃん吠えてないで飯作れよ。」


アンタのが犬でしょ!番犬でしょ!と言いたかったが、まぁ、我慢した。
ムダに気力を使うのはためにならないってここ何週間で理解したから。
色々文句は言ってやりたかったが、それらを全部言えば自称赤崎様がうるさいから閉口して食事の支度を始める。
その間、バカ崎は私が座っていた咳に腰を下ろして、さっきまでの私と同じように部屋を見回し始めていた。お前は私か。


「なんか自分の家にいるみたいだ。」

「そりゃそうでしょうに。
どっかの誰かさんが置いていったCDやら衣類やら、雑誌になぜか知らないけど食器や家具が至る所にあるんだから。」


おかげでごちゃごちゃしてるんだから!という言葉もこれまた喉の奥へと戻した。
だって私も何だかんだで気に入ってるから。不本意だけど!


「いいだろ、別に。お前が別のことしてる間、俺が暇になるとか有り得ねぇだろ。」

「意味分かんない。」


アホの言い分を背中で聴きながら作り置きしておいたものを温め直す。
と言うよりこの行為もいつの間にか当たり前になっているってことが物凄く癪なんだけど。


「なぁ、」

「なによ。」

「ちょっとこっち向けよ。」

「ご飯食べたいならちょっと待ってよ。」

「ンなもんいいから向けバカ」


誰がバカだバカ。アンタが散々飯って言ったからこっちは急いで用意してるっていうのにバカとはなんだ。
自分の方こそバカなくせに。わがままプーめ。


「はいはい、赤崎様。一体全体何用でしょうか?」


苛立ちを含んだ声音を一切隠すことなく発しながら後ろを振り返る。
そこには顎に手を乗せながらなんか値踏みをするような目で私を見てくる変態がいた。


「な、なによ。」


その視線に堪えられなくなった私はそれか逃れるべく身動ぎをした。


「最近、お前の服装俺好みになったよな。」


「現に今のも結構好きだぜ。」と付け足しながら私の服を指差した。
今日は花柄のシフォンチュニックワンピにロングカーディガンを羽織って清楚めにきめている。
そして私の趣味とはかけ離れていた。
それもつい最近、こういった可愛らしいファッションの傾向になっている。
理由は目の前でニヤニヤ笑ってる奴が原因


「気のせいでしょ。」


何食わぬ顔をしてキッチンに向かい直る。

どっかの誰かさんが雑誌で、可愛い系の女の子見て「こういうのいいよな」とか言ったからじゃない。断じて違うから。


「お前、この部屋みたいだぜ。」


さらりと言い放たれた言葉に私が皿を落として、しかもそれがキザ崎のお気に入りだったというのはまた別の話。





あなたの色に犯される

私も、この部屋も






あとがき

赤崎夢オンリー企画「ドヤ顔ダーリン!」に提出します。
大して山もオチもないという毎度の失敗作ですみませんm(__)m
そしてもはや誰これ状態orz

けど、愛はあります。たぶん←

お粗末さまでした!

2011/02/14/22:13

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