イロンナハナシ。

□アイノカタチ。
2ページ/18ページ


「俺さ、友達から誘われてこの世界に入って、にっこり笑っていればお金が貰えて楽なんだろうなと安易な想像で入ったんだよね」

やっぱりそうなのかと雅紀に対して嫌悪感を抱き、こいつと同じ場所にいたくないと楽屋を出ようと椅子から立ち上がる。



「でもさ、実際は結構きつくて、しかも遊び半分で入ってきたのもモデル仲間には気付かれて意地悪されちゃうし、辞めたいなと思った時もあったけど、やればやる程この仕事って楽しくてさ。周りの偏見の目は辛いけど、それを加えたってこの仕事が楽しいって思えるから頑張ってこの世界のトップ目指したいんだ」


この時まで思っていた想像の彼とは違い、力強い真っ直ぐな気持ちに心を打たれ、再び椅子に腰をおろして、俺もトップになりたい、お互いに頑張ろうと約束をした。



…何年かの月日が流れ、俺らはモデル界のトップを歩いている。






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ