アリガトウゴザイマス。
□充電。2
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「翔くんこそ早いな。疲れて入り時間、間違ったのか?」
そう言って上着を脱いで、ソファーに座る智くん。
「朝の撮影が予定より早く終わってね。家に帰るにしたら時間足りないし、どっちにしてもやらなきゃいけない仕事もあったから楽屋で出来るかなと思って真っすぐ局入りしちゃった」
時間はいくらあっても足りなくて、智くんとの会話もたくさんしたいけど、その時間すら惜しいと感じている俺はきっと気持ちに余裕がないともう1人の自分が遠くから見守る。
智くんに背を向け再び資料を整理。ぱたぱたとキーボードを叩く音だけが楽屋に響き、時折、はぁと無意識に溜息をする。
「無理すんなよ」
後ろから智くんの声が聞こえる。
「ありがと。でも、これやっとかないとみんなに迷惑かかるし」
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