アリガトウゴザイマス。
□8月30日。
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「コーヒーがいい?お酒もあるけど…」
キッチンに立ちながら翔くんに尋ねる。
「え、あ…うん…」
返事になっていない返事を俺に返し、ソファーに浅く座っている彼。
…部屋に入った翔くんは少しいつもと違っていて表情が硬かった。
何かあったのかな?
翔くんには好きな人がいる。
それを知ったのは半年くらい前のこと。
恋愛事の相談なんて俺らの立場では友達にするのも躊躇われる。
上手くいく恋愛ならこっそりと誰にも言わずに進めればいいと思う。
でも、想いが通じ合えない恋愛は独りで抱えるのは非常に苦しい。
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