イロンナハナシ。
□あの頃のまま。
1ページ/20ページ
春、テレビ局は編成の時期。
俺も新番組のレギュラーが一つ増えた。
「うまくやってるみたいだな」
局にある喫煙室で新番組担当のプロデューサーが俺に向かって言った。
「え?」
「大野とだよ。新番収録始まるまで不安でいっぱいだったけど」
「昔の事ですから。俺らも大人ですし」
「櫻井はいいかもしれないけど、大野がどうか分からないだろう?何かあったか知らないけど、同じ番組に出るのも数年振りだし…」
ま、今日の収録見たら息はぴったりだし、安心したけど。
笑顔でポンと肩を叩かれる。
.