イロンナハナシ。
□優しく捉えて。
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俺の通う高校は今年、新しく設立したばかり。
当然、一年生以外生徒はいない。偶然、担任の先生が生徒会の顧問ってだけで突如、生徒会役員に選任された。
その時は面倒だし、自分の運の無さを嘆いたけど、生徒会に入って楽しい仲間に出会えて、今じゃ生徒会になれて良かったとさえ思っている。
役員って言っても俺は、書記。その日、議題に上がった事を記録するくらいで仕事も楽だしね。
今日は定期的に行われる生徒会に出席し、来月行う行事についての話し合いが長引き、窓を見れば外は真っ暗。過去の判例が無いだけに、行事とかゼロからのスタートだから決めるのって結構、大変。
「松潤、一緒に帰ろ〜」
同じく生徒会の会長でもある同じクラスの翔くんに声を掛けられ、下校しようと廊下を歩いていると白衣を着た先生とすれ違った。
「君、1組の松本くんだよね?ちょっと来てくれる?」
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