アリガトウゴザイマス。
□1月25日。
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独りだからって出掛けたいとも思えず、読みたいと思っていた本とか、観たいと思っていた映画のDVDとかを鑑賞しながら寂しい誕生日を過ごす。
日頃の疲れもあってか気付けばうとうととソファーの上で眠ってしまっていた。
ピンポーン…
遠くからチャイムが聞こえる。
その音で目を覚ますともう外は真っ暗。
誰だろうと相手を確認すれば。
「さ、智くん?!」
にっこりとインターフォンの画面に笑顔を向ける彼がいた。
急いで開錠すると、いつもと変わらずほんわり癒しのオーラを出しながら「よぉ」なんて呑気に挨拶なんかしちゃって。
俺も「うん」なんて意味不明な返事を返す。
どかっとソファーに座りおもむろに紙袋から出したものはワイン。
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