アリガトウゴザイマス。
□11月26日。
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「収録、再開します!」
スタッフが俺達を呼びに来て、願う気持ちとは反対にリーダーがゆっくりと俺から離れていく。
「ニノ、ほら早く」
置いて行くぞと言いながらも、楽屋のドアの前で少し困ったような、それでいて柔らかな笑顔で俺を見る。
3人は楽屋を出てスタジオに向かっていて、今は俺とリーダーと2人きりのこの空間。
「ニノ?」
ソファーに座ったまま動かず、リーダーの言葉への返事もしないまま、じっと彼を見つめた俺を不思議そうに見ながら。
“世話が焼けるなぁ”
舌っ足らずのいつもの調子でのそのそと俺に近付いてきた。
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