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□ 涙は枯れちゃったみたいです(1)
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今日、好きな人が結婚します。
天使みたいに可愛い彼女 ずっと彼女が好きだった彼
皆が祝福していて
彼も彼女も嬉しそうに笑い私も笑顔を作る。
「京子ちゃんのドレス綺麗ですね! 」
「実はね、ツっくんがこのドレス選んでくれたの♪」
白いシンプルのドレス。
頭には綺麗なティアラ
京子ちゃんに凄く似合ってる……
「流石ツナさんですね」
苦しいけれど
無理やりテンションを上げる。
笑顔を保つのだって辛い
「ちょっと私、皆の所に行ってきます^^」
「うん」
京子ちゃんが私に微笑みかけてくれる
私も笑い返し部屋を出た。
式が終わるまでは
泣いてはいけないです。
泣いちゃ駄目、
泣いては駄目です……
笑顔を練習する。
大丈夫、大丈………
「ハル!」
会いたくなんかなかった
泣いてしまいそうだから
けど、なんででしょう?
悲し過ぎて泣けないんです
幸せそうに笑う君の前で 泣ける訳なんか無い
もう涙は枯れてしまった…