短編

□有難う
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狂乱者は今日も笑った

全身に血を浴びながら


『さぁ、踊ろう‥真っ赤のステージで!』


クルクルと狂乱者は回った

黒の衣がヒラヒラと揺れる


『さてと、帰りますか!』


狂乱者はフードをかぶり、闇へと消えていった






有難う






狂乱者は孤独と憎悪を愛した


狂乱者は元は普通の少女だった


少女が狂乱者へと成り果てたのは孤独と憎悪の二つがあったからだ


少女は捨てたらた、その日から孤独は常に少女のそばにいた


少女は自分を捨てた親を憎み始めた、憎んで憎んで憎んで少女は憎悪と共にいた


少女は親だけではなく世界を憎み始めた


少女が狂乱者への階段をのぼり始めた


世界を憎むなどは些細なことだった

少女が狂乱者へとなる決定打は、他にあった


少女は世界を憎んだが1つだけ憎めないのがあった

何のことのにただの黒猫だった

黒猫は一匹だった、少女も一人だった


黒猫と少女は孤独だった


そんな一人と一匹は何となくいっしょにいた


少女が世界を憎みきれなかったのも黒猫が大いに関係するだろう


少女は黒猫が大好きだった

唯一の存在といっても過言ではなく、本当に“家族”だったのだ‥



しかし運命は残酷にも少女から一匹の黒猫を切り離した


少女は捨てられた身

他人から煙たがられるのは当然だった


少女が気にいらない者たちは無慈悲にも少女の唯一を奪ってしまった



少女が狂乱者へとなる決定打だった


少女は狂乱者と殺人鬼へとなった


そして狂乱者は世界を憎むことをやめた



狂乱者は世界を愛すことにした



愛して愛して愛して壊すことにした



狂乱者は今日も笑った



『世界はなんて素晴らしいんだろうね!』



狂乱者の日々は続いていく



END
 

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