短編

□存在意義
1ページ/1ページ




僕の存在意義ってなんだろう‥?






存在意義







僕が生まれてきた意味はなんだろう

僕が僕という存在は誰が証明するのだろう



ただ愛して欲しいだけの弱く、脆い存在なのに



そう、愛して欲しいだけ


なのに一番、愛を恐れているんだ


他人に認めてほしいのに自分から他人を拒絶するんだ



母は僕に言った

『生まれてこなければよかったのに』

『あの男との忌まわしい子』



『生まれてくる前に死んでいればよかったのに』


誰かにも愛を与えてもらえなかった


普通の子が自然に与えられる愛を僕は持っていなかった


それ以前に母は僕を愛してはいなかった


僕がそれに気付いたのは少し大人になってからだった


母は僕なんかみてなかった


僕の瞳の奥に宿るあの男をみていたんだ


誰にも望まれなかった命

生まれてきて“しまった”子供


僕を愛す人なんかいるのだろうか


存在意義なんて最初からなかったんだ



なにも与えられなかったんだ



では何のために生まれたんだ




その答えに気付いたのは僕は今、気付いたんだ


『世界を憎めばいいんだ』



誰にも愛されない、認めてもらえない、みてくれない


そんな世界に意味があるのだろうか


人と少し違うからといって虐げられる者の気持ちなんて誰にもわからないんだ


虐げられる者同士ではないと理解できないんだ



そんな狂った世界なら僕が壊せばいい


暗闇に生きればいい


それが僕の人生、“存在意義”だ



全てを壊す破壊神となりさがろう‥




END
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ