短編

□生死
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ただの人間でありたかった


ただ普通に生きたかった






生死









生まれたときから人と違った



幼いときに母さんの後ろに黒い影がみえた



その数日後母さんが死んだ



近所のおじさんは僕を可愛がってくれた



おじさんの右足に黒い影がみえた



三日後におじさんの右足は機械に巻き込まれてなくなった



担任の先生がいた


先生の腹に黒い影がみえた



翌日、空き巣に入られて腹を刺されたらしい






昔からそんな感じだった


だから人の不幸、死などには慣れてしまった



正直どうでもよくなってしまった


初めからわかっている


人の不幸、死



それは“運命”なのかもしれない‥



僕はたまたまその“運命”が見えるだけである




そんな不思議な生活を送っている僕だからおかしくなったかもしれない



他人の不幸、死はどうでもよくなってしまったついでに自分の不幸、死にも興味を持たなくなった



誰かがそんな僕を見て



『生きながら死んでる』


『まるで君は不完全な死体だ』



と笑った



不完全な死



もしかしたら本当に死体なのかもしれない




だから今の状況に興味が持てないのだろうか‥




真っ赤な血の海


僕の視界は真っ赤




これで本当の死体になれたのかもしれない‥



END
 

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