短編

□嘘だったら
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ウソツキ、嘘つき


私は嘘の塊






嘘だったら






この世に存在した時から私は嘘の塊


親からもらった名前も今では忘れた


否、つけてもらっていたのかもしれない


もしかしたら名前さえもらえなかったかもしれない



でも仕方ない


私は“嘘”なんだから



私は嘘と友達よ



だって私は嘘だもの



嘘をつかないと生けていけない


だから仕方ない



謝ったことなんてない


だって私は悪くないもの



嘘をつけって態度で示したのは世の中


そして、そんな汚らわしい世の中に私を独りで放り込んだ親



私は悪くないわ



私は正しい




私は汚くなんかない




私はキレイよ




嘘っていう服を着てるんだもの




すごくキレイでしょ?






ほら、今すぐに私を褒めなさい




私はずっと独りで生きてきた



強くなろうとした



私の武器は嘘




私を怒ってみなさい




私のどこが悪いっていうの?



END
 

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