POEM

□わたしのコイは、
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ひどく胸が締め付けられていた

得体の知れぬ何かが
胸を掴んでいるような感覚

拍動は小動物のそれのように速くて
呼吸は一酸化炭素中毒者のように苦しい

何でもないことなのに
なんて言い聞かせても
呼吸困難で言葉が上手く生み出せない

それを隠すように
顔と目を伏せさせた

何も紡げなかった口は
利き手で覆った

体温が異様に冷たく感じて
顔の熱さを自覚する

それは紛れもなく恋だった

彼の声が届く度に
身体の中心に重しのような何かが
ずっしりと 乗せられるような感覚
その重みで立ち上がることが出来ない

彼の言葉一つ一つに
驚喜し悲観し感動し振り回され
いつまでも発言が活字となって
私の脳内を占拠している

私はもう
彼の姿を見ることが出来るだけで
満足だった

傍観者のままで
これ以上は近づかなくて構わなかった

この恋という感情を
教えてくれただけで十分だった

彼を思うと苦しくて
けれど彼が愛おしくて
その感情のみを 知っていればいい

どうせ 願ったって近づけはしないのだから

緩やかに堕落する世界の中で
彼は私の光だった

その事実が
この脳内に収まるならば
この恋によって生まれた希望が
私の進むべき道にあるのならば
私はそれだけで構わない

だいすき
だいすき
だいすき

唱える度に弾む心臓が嫌ではなくなっていた

彼が私を知らなくたっていい
私が彼を知っているのだから


わたしのコイは、


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