SHORT
□もうダメなんだ
1ページ/3ページ
「なぁ、お前は誰が好きなん?」
サークルの打ち上げの席、ほどよく…いやかなり酔った同回の男がふざけてきいてくる。
「いやー別に?」
適当にあしらうと、彼は自分の横の後輩をガッと捕まえる。
(いやいや、後輩首絞まってますやん)
「あっじゃあコイツはコイツ!俺さぁカッコいいと思うんだよね、ね!」
「いや…ちょ先輩!」
無理矢理渦中に巻き込まれた後輩が慌てる。
ハハハ、コイツしばいたろか。とか内心思いながら表面上笑って誤魔化す。
酔った彼は抵抗できない後輩を捕まえて私に勧めるが、後輩が迷惑そうだ。(というか首絞めてるし)
そんなん、最初から好きだったらこんな真向かいにいて喋らずにいるなんてことないだろう、気づけやボケ。とか思ってても口に出さない。
何より後輩迷惑そうだし。(それもそれで複雑な気分だが)
ここは打ち上げで皆が楽しく騒ぐ場所。
決して相手を否定して不機嫌にさせてはいけない。
わかっていつつもツッコミたくなるのは、限度を知らない彼らの騒ぎよう。
大学生になっても頭は中学生。
誰かと誰かをくっつけてからかうのが楽しいお年頃。
くだらない、と思いながら輪に交じる自分がいる。