SHORT

□悠&藍
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次の休み時間、またもや藍が悠のクラスにやって来た。
「なぁはるちゃん、世界史貸してー」
世界史なら悠も持っている。教科書を引き出しから取り出して藍に渡した。
「ありがとー」
ヘラヘラと笑って藍が教科書を持って行った。
嵐が去ったと思い悠は頬杖をついてヒラヒラと手をふった。

授業が終わって藍が教科書を返しに来る。
「ありがとーはるちゃん」
意味深な笑みを浮かべて藍が教科書を渡す。ひきつった笑みで悠がそれを手に取った。
「お前まさか…」
悠が立ち上がろうとすると藍が悠の肩を押さえた。
「さーてお昼だし、購買にでも行きますかー」
そのままクルリと方向転換をして藍は逃げる。
「あっおいちょっと」
悠の制止も聞かずに藍はあっと言う間に走り去った。

「なんだってんだ…」
そうして世界史の教科書を開くと、角にイラストが描かれている。そして現在習っているページには“重要?”と書かれていて、横には変な物体。
他にもお世辞にも上手いとは言えないイラストが散々描いてあった。
角のイラストはよく見るとパラパラ漫画になっている。
しかし汚すぎて何が描いてあるのか全くわからない。
さすがにこの教科書で勉強する気になれないと悠は頭を抱えた。
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