SHORT

□悠&藍
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国立高校二年一組海堂悠。同じく二年三組蒼藍。
そんな同級生二人の日常――…

「なぁはるちゃん数学Vの教科書貸して」
お得意の笑っているようで笑っていない顔で藍が両手を出した。
「はぁ?お前俺文系だぞ。持っとるわけねーじゃん」
しっしっと適当に悠があしらうと、むっとした顔で藍が悠に抱きつく。
「冷たいーはるちゃん冷たいー」
「男に抱きつかれる趣味はねー!」
悠はバッと藍から身をよじって離れた。
藍がニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべて悠を見つめる。
「せっかくはるちゃんと遊ぼうかと思って来たのに、淋しいわー」
そう言って制服から数学Vの教科書をチラリと見せた。
それを見た瞬間、悠から何かブチッと音がした。
「ってめー!いい加減にしろー!」
「あはは、そういうはるちゃんが好きよー」
ひょうひょうと笑って藍はクラスから走って逃げ去った。
「ったく…」
相変わらずの奔放ぶりに悠はため息をついた
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