短い小説

□…ね?
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「ははは!だから、
一気にふられたってこと?」





「…そんなに
笑わないで下さいよ。
私は深刻なんです。」





「ははは!!
ごめん、ごめん!」




「もお…先輩。
そんなに笑わなくても
十分悲しいですよ。」




「わりぃ、わりぃッ。」




謝ってからも
くすくす笑うユチョン先輩。



人は深刻な話をしてるのに、
笑ったり、ジュース零したり…




「そう言えば先輩は
どうなったんですか?」



まったく、歳はああでも
本当に子供なんだから…。



「…え?何が??」




それに話も呑み込めないし!




「先輩の片想いの方ですよ。」



ユチョン先輩とは片思い仲間で、
二人とも片思いの相手は
他の人をみている…と言う
凄く悲しい…思いをしている。




「あ〜それっか!」




「あ〜それっか!
…じゃないですよ!!」




「じゃあ?」




「じゃあって…。
その方とはどうなってるかって
聞いてるんです。」




「ふーん、そうだね。」




何か少し深刻になった先輩の顔。




「もしかして…
やばいんですか?」




「ふーん…そうだね。」




「その彼女と…
何かあったんですか?」





「ふーん…いや。」




「じゃ、
何がやばいんですか?」




「俺。」





「え?」





「その彼女のせいで
俺がやばくなったよ。」



ますます
深刻になって行く先輩の顔。



「まさか…
お金が関わったりして…。」




「…そうじゃなくて!
その女のせいで、
ここが痛くなったの。」



先輩の指がさしたのは




「胸…ですか?」





「うん。
君も、好きな人が
他の人のことで凹んだりしてると
ここが痛くなるだろう?」




「それは当然ですよ。」



それは片想いしたことがある人なら
みんな知ってるはず…。



「その女が凄く
凹んでだからさ…。」




「…そう…ですか…。
先輩も色々と大変ですね。」




「…だからさ、
あんまり凹むなよ。」





「…え?」





「君が凹んだら
その分、俺のここが
痛くなるだろう?」





「…せん…ぱい?」




「やっと俺も…






告白できたよ…ね?」




→あとがき

 
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