平安ありす
□その名はありす
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──ここは……どこだ?
まず思ったのはそんなこと。今俺がいるのは、さっきまでいたコンクリートジャングルとは大違いの木だらけの細い道。この木は……柳?
ゆらゆらと、風にゆられるその風景は俺の目には新鮮なものとして映っていた。
──とりあえず、この状況を打開せねば!!
というわけで。なんだか展開が早い気もするが持ち物を確認。
スクールバッグ。その中には──ペンケース、財布、電子辞書、イヤホン、ケータイ、電池式充電器、電池数本。ノートやら教科書やらが無いのは……まあ、察するがいい!すみません。
とりあえずそんな感じで部活とかもしねぇからこれだけしかない。
………。
「あ!ケータイ!」
そうだよケータイで場所確認すればいいんじゃん。今のケータイはオートGPSというものがあるからな!
「って……圏外!?」
文明が発達したこのご時世に圏外って、ありか……?
「これは……」
──どうしたものか……。