巨人の長編

□第四話
1ページ/7ページ

巨人と戦うための第一条件の立体起動。
その基本訓練はほとんどの者たちが差はあれど成功をおさめていた




しかし、エレンの出来は酷いという以前の話だった。
これが出来なければエレンの兵の道が閉ざされることになる




「頼む、フレイヤ!俺にコツを教えてくれ!」



と、頼まれたフレイヤだが



「…なぜ出来ん」



しか言えなかった。
これは本気で思った疑問だ。




朝、二人で格闘訓練を行ったときは人並み以上のセンスがあると思っていたし。
実際エレンがこの程度でつまずくはずはないのだ、と考えていた




「出来ない理由なんざ自分でもわからねぇよ!」




「と言われてもな。お前なら出来て当たり前とも思っていた」




「くそ!どうすれば…」




「とりあえず、もう一度同じことをしよう。話はそれからだ」




実際にもう一度試すために、二人は訓練場に再び訪れた




「ん?だれかいるな。まだ残ってるやつがいたのか」



「あれは……」



「…あいつは」



一人は見覚えがあった。訓練中かなりできていた奴だ



「ミカサ!アルミン!」



「なんだ、知り合いか?」



「ああ、ミカサ…女の方は家族で、男の方が幼馴染だ」



「へぇ、家族…か」



二人はエレンを待っていたようだ。流石家族と幼馴染、エレンの行動はわかるというわけだ



「…来ると思った」



「エレン、大丈夫だった?遠くに飛んで行ったから心配で…」



「ああ、フレイヤのおかげで大丈夫だぜ」



「えっと…君は確か」



「…教官を殴った人」



「…わかっちゃいたが、誰に聞いてもそういう認識か…」



「まあ、当たり前だろ?教官殴る奴なんて前代未聞だぜ。…オマケに記憶も飛ばすし」



「まあいいや。…二人は初めましてだな。
フレイヤだ、よろしくな」



「あ、僕はアルミン。こっちこそよろしくね」



「…ミカサ・アッカーマン」



「おう、アルミンにミカサだな」



軽い自己紹介を終わらせてミカサが話を切り出す



「…訓練しに来たんでしょ?」



「ああ!このまま終わってたまるか!」



「じゃあ早速やろう?エレンなら絶対できるよ。僕だってできたんだから」



「だな、やってみた方が早い。よし着けてやるよ」



「悪いな」



訓練用のロープをしっかりと取り付ける。
今度は外れて飛んで行かないように



「よし行くぜ!!」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ