★星屑U★

□やさしい嘘
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〜side T〜




「これが最後に…
 なっちゃうんですね…」


「うん。最後だね。」


「せっかくりかさんと、
 こうやって
 組ませて頂けるんだから
 ちえさん達ほど、
  とは言いませんけど
 私達ふたりも――――」


「―――違うよ?」


「…え?」


「違うよ。
 私達は、
  "ふたり"じゃない。」


「そんな…それは…
     どういう……」


「ちょっと語弊あったかな
組みやすかった、
すごくやりやすかったよ?
    れみちゃんは。」


「だけど…」


「うん、"ふたり"じゃない
 "ひとりとひとり"
     だったよね。」




私達はずっとそうだった。
きっと最後まで、
"ふたり"にはなれない。





「過去形…なんですね、
     …もう………」




こんなに何もかも息が合い
自由に呼吸できる娘役に出会ったのは初めてだった。

しかしそれも、彼女の努力が、努力のみが、そうさせていたのは、私自身が一番良く解っていた。




「あの二人見てるとさ、
 運命感じるんだよね。」



そんな二人を知っている以上、その違いは明白だった。



「二人はさあ、
 魂の何処か深い場所で
    繋がってるって、
 そんな気さえする時、
     あるんだよね…
 なんか上手くは
    言えないけど。」



「あと半年もすれば
 二年、ですもんね。
 きっと絆も深く―――」



「うんん。それも違う。
 最初から、だったから。
本人達はどう思ってんのか知らないけど、
少なくともずっと一番近くにいたあたしにとっては、
初めからそういう
  "ふたり"だった。
"ふたりでひとつ"
 ――――――だった。」



説明すればするほど
辛くなった。

彼女の表情を見て、
もっと
辛くなった。


もう終わりなのに。
終わりが始まろうと、
しているのに。





「だから全然違うんだよ。
あの二人と、あたしとれみちゃんとは…」



「…………」









だけど君ならばきっと
自分と同じ痛みを分け与えようとする私を、
いつかみたいに
いつもみたいに
赦してくれるって、
思ったんだ…






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