★星屑★

□あれから…
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「ちょうど二年になるなあ。。。」


「そうですね。。。」


「いろいろあったなあ。。。」


「ほんとに。。。」











組替えの挨拶の為
彼女が公演中の楽屋にやって来たのは
ちょうど二年前の今日。




でもそれから
まともに言葉を交わすようになるまでには
更に半年以上の時間が経ってしまっていたのだけれど…













初めの頃の君は
ずっと笑顔で
ずっと緊張して
ちょっとだけ…痛々しかった。


なのに私は、
遠くから
見ているだけだったね。




そのうち君は
兄役や、恋人役の上級生に見守られて
少しずつ
上手に呼吸が出来るようになっていった。



私はといえば
まだまだ与えられるものの大きさと戦って
ひたすら壁を、
よじ登り続けてたんだ。







そんな中、
あるとき私は
恋人という役の枠を超え
君を見つめる
一つの真っ直ぐな視線の存在に
気付いてしまった。






ちょうどその頃だ。
決まった時間に
毎日君が、
私の前に現れて


あっという間に

心を奪っていったのは…







自分の感情に戸惑って
人の為だと言い訳したり
何度か気付かぬ振りも
してみたけれど。





君は…
奪った心を
返してはくれなかったね




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