黄昏の行方

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通報を受け、駆け付けた警官が見たのは
鮮血により真っ赤に染まった男と、ぐったりと横たわる女性と少女

笑いながら動かない男はそのまま逮捕され
まだ僅かに息のあった少女は病院に搬送され
女性は…少女の母親は、既に亡くなっていた


取り調べにより分かった事といえば、男が少女のストーカーであったことだ


男は少女がどれ程魅力的なのかを延々と語るなか、事件当日について語った



小学校を卒業した少女と接触する機会がなく、少しでも少女に近付きたいと思い始まった…ストーカー

はじめは遠くからでも少女の顔を、表情を見るだけで幸せだった
しかし月日が過ぎ、見てるだけで満足出来なくった

意を決して訪問としたがいつまで経っても少女は帰らず、思わず家に侵入
先に帰って来たのは母親で、泥棒と間違われ取っ組みあいになり、殺害

少女は、そのすぐ後に帰って来た

殺した瞬間の母親の表情が、この少女のモノだったら
そう考えた時、男の中の何かが疼いた

そして、事件に至る…


花は、少女へのプレゼントだったらしい…


男はただ延々と、少女の事を語る



愛しいのだと、言う



それは、歪みに歪んだカタチになった


ただひたすらに愛しいのだと

自分だけの存在になって欲しいと…








―――ソレは狂気に犯された愛のカタチ――‐

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