朝焼の間

□第二話
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「あら、可愛い坊やたちだね。」


買い物から帰ってきたおばあちゃんに二人のことを説明していた。


「この子たち、うちで預かってもいいかな…?」

「私は別に構わないよ。」

「真白ちゃん、この人誰?」


佐助君は警戒心剥き出しで、弁丸君は私の後ろに隠れて顔だけ覗かせている。

なんとも可愛らしい光景だ。


「この人は私のおばあちゃん、怖がらなくてもいいよ。」

「早苗です。あなたたち、名前は?」

「それがしは、弁丸と申す!」


弁丸君は私の後ろから出てきて、元気よく名前をいった。


「そう、弁丸君は元気だねぇ…あなたは?」

「…猿飛、佐助…」


佐助君は目こそ合わせなかったものの、名前を言ってくれた。

少し安心したー…


「佐助君ね。名前、教えてくれてありがとう。(にこっ)」

「!?」


おばあちゃんは何かを悟ったのか、佐助君に優しい笑みを浮かべた。佐助君は少し動揺している。
そのあと、佐助君もおばあちゃんにぎこちなく笑い返した。


「さて、夕飯の支度でもしましょうか。」

「ゆうはん?」

「えっと、夕餉っていったらわかるかな?」

「おお!!夕餉でござるか!!」

「…俺様も、手伝うよ…」

「ありがとう。」

「それがしも!それがしも!」


弁丸君はやる気があるのか、ぴょんぴょん跳ねている。


「弁丸君はね〜…じゃあついてきて!」






私の勘違いだろうかー…佐助君がおばあちゃんに心を許しているように感じるのは…





真白はそんなことを思いながら弁丸を連れて、どこかへ行ってしまった。








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