文
□続きは後で
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今日はグリーンさんのジムの仕事が休みだったので、たっぷり休んでほしいと思いグリーンさんを俺の家に招いた。
昼間は蜜柑でも食べながらくだらない話とかして、夜になったらベッドにグリーンさんを押し倒してそのまま流れでにゃんにゃんしたりとか…
ああ、楽しみだ。
そんなことを考えながら、早速蜜柑を持ってこようと思いグリーンさんをベッドに座って待っているよう誘導して、俺は一階におりていく。
みかんはどこだろうかと辺りを見回すと、冷蔵庫の隣に少し大きめのダンボールを見つけたので中身を見てみるとオレンジ色のきれいな蜜柑がたくさん入っていた。とりあえず俺は、そのダンボールごと部屋に持って行くことにした。
意外と重い…。
自分の部屋の前まで来て、足で乱暴に扉を開ける。
「グリーンさん、蜜柑いります?」
よっこらせ、と年寄りくさくダンボールを床に置きながらグリーンさんに問いかけてみた。が、返事がこない。
「グリーンさん?」
ふとベッドの方を見てみると、グリーンさんが横たわって目をとじていたので最初は倒れたのかと心配していたのだが、規則正しい寝息が聞こえ眠っているだけだとわかり俺は胸を撫でおろした。
そういえば昨日は徹夜だったって言ってたな…。
いつも無理ばっかしないでください。俺、いつも心配してんですからね。
それにたまには甘えてきてくださいよまったく。
心の中で文句を言いながら、俺はベッドに頬杖をついて寝ているグリーンさんの頬を優しく撫でてみる。
ああ、やっぱりいつ見ても整った顔立ちしてるなあとしみじみ思った。
「ん、」
グリーンさんが身じろいで、ゆっくりと瞼をあげ俺を見つめてきた。
起こすつもりはなかったんだけどな…。
「…あ、悪い…寝ちまってた」
ごしごしと目を擦ってから起き上がろうとするグリーンさんの肩を押して、もう一度ベッドに寝かせてから俺はその上に跨がった。
「…おい、どけ」
「いやです」
あんな可愛い寝顔を見せつけられて誰が夜まで待てるというんですか、と俺が言うと目の前で頬を染めたグリーンさんが意味わかんねえ、と悪態をついてきた。
可愛い可愛い俺のグリーンさん。今すぐ抱きしめたいんですキスしたいんです二人の意識がとぶまでセックスしたいんです。
「気持ち悪い」
「あ、声に出てました?」
「…ばか」
するとグリーンさんは恥ずかしがりながらも俺の首に腕をまわしてきた。これは今までの経験上、了承してくれたことを意味している。
よっしゃあ!と心の中でガッツポーズをきめ、早速グリーンさんの首筋に顔を埋めようとした
その時、
ピンポーン、と不意にインターホンが鳴った。
くそっ、こんな時に誰だよ。
首にまわした腕をゆっくりと解いたグリーンさんは気まずそうに視線を游がせている。
俺は「少し待っててくださいね」と耳元でわざと吐息まじりに囁いてやると、グリーンさんは少し身体を跳ねさせてからこくんと頷いた。
それからベッドからおり、部屋をでてから小走りで玄関へと向かう。
「誰ですかー?」
機嫌の悪さをそのまま声にしながら乱暴に扉をあけた。
「レッド。…グリーン、いる?」
俺は固まった。
え、なんでレッドさんがここに?ていうかなんで俺んちの場所知ってんの?
しかもグリーンさん探してるみたいだし…。
「…いませんけど」
「そう」
おかしいなあ、とか呟きながらレッドさんはリザードンに乗ってまたどこかへ飛んでいってしまった。
「…誰だったんだ?」
「ああ、えっと、家を間違えてたみたいで、知らない人でした」
「…ふぅん」
ささ、続きをしましょうか、と俺が再びグリーンさんに覆い被さるが、どうやら相手にはもうその気はなくなってしまっていたようで、すぱんと俺の頬に平手打ちをかましてきた。
「いってー…」
そのまま俺を押し退け、ベッドからおりてダンボールからひとつ蜜柑を取り出し「先にこれ食おーぜ」と、いまだに叩かれた頬を擦っている俺に言った。
「続きは夜に、な…」
こちらを見ないままの少し小さめの声に、俺はただクスリと笑うだけだった。
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最後ほんとにやっつけな感じになってしまいました;;
レッドさんは、ナナミさんに聞いてゴールドさん宅にやってきました。
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