Erie

□@昔の女
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 ♪エリー マイラ〜ブ ソスウィ〜トゥ♪


カラオケボックスに、木村の歌声が響き渡る。


「しけた歌、唄ってんじゃねぇよ」


鷹村は、面白くなさそうに野次を入れた。


木村にしたら、流行りの歌なんかに興味ない鷹村に気を使って、選曲したつもりだった。


「ヘイ、すんませ〜ん」


「いやぁ、木村さん、歌上手いんですね〜」


そんな木村に、拍手をしながら必死に気を使う一歩。


「コイツはよ、いつもこういう女が好きそうな歌ばっか唄ってよ、たらしこもうって魂胆なんだぜ。ま、上手くいった試しがねえが」


茶々を入れる青木。


「うるせえ」


「まあ、まあ」


一同を宥める板垣。
いつもの鴨川ジムの面々だ。


「んじゃ、そろそろ帰るとするか」








夜の歓楽街。
街行く人は皆、身も知らぬ人ばかり。


「おい、ちょっと…」


突然、鷹村が前方を横切る女性の肩を掴み、声を掛けた。


「なあにぃ?」


鷹村の顔に、僅かに落胆の色が浮かぶ。


「あっ…と、すまねぇ。人違いだ」


今頃、こんな所にいるわきゃねぇか…

 
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