endless world第29話〜第1部最終話
□〜endless world 第30話〜閃光のライズ、その魂は友の為に…(風都編)
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だって、大切な友達の戦いを手伝う事が出来るじゃないか。
だが、記憶を失ったあげく、未来を救うという目標をくれたジュプトルを差し置いて、自分だけが生きていていいのか…。
ライズはずっとそう考えていた。
ディアルガ「…未来のポケモン達の事か…。」
ライズの考えを見抜いたディアルガは彼にそう問いかける。
ライズ「まぁね。本当にいいのか…僕だけが再び肉体を与えられ、また青空の下で生きていく…同じく、存在を賭けたジュプトル達はどうなるのか…そこに引っ掛かってね…。」
ディアルガ「お前の気持ちは分からなくはない。確かに彼らは公平に肉体を与えられるに値する働きをした。私が何故、お前にそれを求めるのか…分かるか?。」
ライズ「それはさっき…。」
ディアルガ「それも理由の1つだ。しかし、私が何故お前を選んだか…それはお前という存在が彼女達の助けになるからだ。」
ライズ「僕の存在が。」
ディアルガ「お前は過去に訪れた世界の危機を救った英雄「パック」と全く同じ存在だ。私はお前から何かを感じる…人からポケモンへと姿を変え、それが「星の停止」という悪夢から世界を救った。だから私はお前を選んだのだ。伝説のプリキュア「キュアクロス」に選ばれた彼女達の助けになれる事を信じて。」
ライズ「僕がラブ達の助けに…それは…本当なのか?。」
ディアルガ「左様。彼女達だけではかなり険しい道のり…だがお前のその足で…その眼光で彼女達の歩む道のりを指し示す閃光となるのだ。私はそのためにお前の肉体を現世に戻す事を決めた。さぁ…答えを聞こう。」
ディアルガの言葉にライズは再び考え込む。
そして…。
ライズ「…分かった。僕がまだ生きる事を許されるのなら…この魂は光輝達の為に捧げたい。身体を与えてくれるかい?。そして彼女達の元に僕を送り届けて欲しい。」
ライズは決意した。
再び生をもらい、その力はフュージョンと戦う事を決めた彼女達の手助けに使う事を。
ディアルガ「良かろう。だがこれだけは忘れるな。彼女達と共に歩む道を選んだからには、苦しい道のりばかりとなる。だが決して諦めるでない。小さな光でも大きな闇を飲み込む事が出来る。行け。友の為に。」
………。
そして気が付くとライズは再び、「レントラー」の姿で現世に戻っていた。
場所は「運命の塔」。
その白い巨塔の先に一筋の光が去っていった事を確認した。
あれはラブ達だ…。
そしてライズは塔の内部へと導かれるように入って行く。
創生神「アルセウス」の元に向かう為に…。
………。
時は戻る。
「風都」に渡り、翔太郎達の拠点「鳴海探偵事務所」を風都での活動拠点 としていた光輝達は朝になり、それぞれが深い眠りから目を冷ましていた。
〜風都、鳴海探偵事務所〜
光輝「ふわぁぁ…今何時だ…?。」
目を擦りがらあくびをする光輝は朝食の用意をするせつなとゆりに時間を問う。
ゆり「8時よ。」
せつな「今日は珍しいわね。意外に早いじゃない。」
光輝「意外って何だよ。」
せつな「四つ葉町ではいつも遅刻ギリギリだったじゃない。」
ゆり「ホントに?。呆れたわ。」
光輝(真面目ちゃんが二人いるとどうもやりづらい。)
翔太郎「まぁ別にいいじゃねぇか。朝っぱらから焦って走ってくるだけで元気ってもんが伝わってくる訳だし…。」
フィリップ「君はいつもそういう所で後悔しているんじゃないか。」
翔太郎「うっ。」
フィリップ「さて…と。」
フィリップはコーヒーカップに口を付け、書類の入った封筒を片手に立ち上がる。
ゆり「その書類は確か昨日の夜、照井さんが…。」
フィリップ「ああ。ここ2ヶ月の捜査記録だ。この中から不可解な内容を取り出して検索してみる。」
せつな「検索って…ネットワークか何かでですか?。」
翔太郎「そんなチャチなもんじゃねぇよ。コイツの能力の1つだ。」
光輝「能力?。」
翔太郎「「地球の本棚」といって、コイツにしかアクセス出来ない地球の記憶を触れる為の異空間だ。地球というデータベースにある膨大な数の記憶の中からフィリップが絞ったワードの結論が本として現れるんだ。この能力があるお陰で迷宮入りしていた難事件も容易く解決出来たんだよ。」
光輝「まるで人間コンピューターだな。」