endless world第0話〜第28話

□〜endless world 第8話〜無くした記憶
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キュアクロス「いい質問だね…わかった…あたしがどうして彼の事をこんなに詳しいのか…それはね……光輝はあたしの実の息子だから…。」



一同「。」



一同はキュアクロスの告げた一言に思わず息を飲む。



ラブ「光輝のお母さん。」



つぼみ「じゃあ前に言っていた黒髪のトゲトゲの男の子って…光輝さんの事だったんですか。」



キュアクロス「うん…あたしが完全に姿を消すのはね…光輝が心から幸せだと感じたその時…それまではあたしはあなた達の中に居続ける事になるんだ…。」



祈里「そうなんですか…。」



キュアクロス「光輝は記憶を無くしてからはずっと孤独…でもそれはガンブレイドとしての能力を得たからには仕方が無い事なの…敵か味方か、ガンブレイドにはその2つしか選択肢が無い…。」



ゆり「………。」



いつき「僕…彼の事は知らないけど…とても辛い事を抱えて生きていかなきゃいけないんだね…。」



いつきは眠り続ける光輝に目を向ける。



ラブ「あの…どうしたら光輝は…その運命から逃れる事が出来るんですか。」



ラブはキュアクロスに真剣な眼差しで訴える。



キュアクロス「それは分からない…でも…今日で分かったように…ガンブレイドが完全に暴走するとあれ以上に厄介な事になる…それでも光輝と居てくれるっていうなら…光輝の事を知る必要がある。」



せつな「光輝の事を…知る…。」



キュアクロス「人間とはそう…「過去」、「経緯」、それらを知って初めて絆というものが結ばれる。そしてあなた達はガンブレイドとして不安定な能力を持つ光輝の過去を知る事に覚悟を持たなきゃいけないの…この子の無くした記憶を見る事を…。」



つぼみ「…あります…。」



美希「え…?。」



つぼみ「光輝さんの無くした記憶を見る覚悟はあります私はあの時、助けてくれた光輝さんに恩返しがしたいんです「最後の敵」とかそんなの関係ありません



つぼみは涙目で訴えかける。



えりか「人の無くした記憶…か…なんか見るのは悪いような気がするね…。」



せつな「でも…光輝をきちんと受け入れるなら必ず通らなければならない道…私…分かるから…。」


ラブ(せつな…昔の事を思い出してるんだね…。)



ラブは真剣な眼差しの奥で悲しみの表情を浮かべるせつなの表情をうかがう。



キュアクロス「それじゃ、あなた達に見せる…光輝の失われた過去を…そして感じて欲しいの…ガンブレイド…その存在の意味を…。」



その時、2つに欠けたリングから光の帯が現れ、その場にいる一同を包み込む。



ラブ「。」



祈里「これは…。」



キュアクロス「これだけは約束して?光輝は自分の過去を知らない…あなた達が今から知る光輝の過去を絶対に本人には話さないで…それはいつか光輝が自分で乗り越えなきゃいけない事だから…。」




ラブ「はいみんな…いくよ。」



ラブはその場にいる美希達やえりか達にそう告げた後、全員は気を失ったかのように眠ってしまう。



キュアクロス(ごめんね…光輝…母さんはここにいるよって言いたいんだけど…あなたの中にはあたしは存在しない…。)



キュアクロスは眠り続ける光輝に悲痛な声を上げる。



〜過去編〜



…………………………。



9年前の夜天町……。




現代の街並みとは異なり、繁華街もまだ出来る前…どこか田舎のような面影が漂う街並みであった。



〜アパートの一室〜



桃色髪の女性「………。」


壁際に立てかけられた2枚の写真に女性は手を合わせる。



その写真の前には線香が焚かれ、独特な匂いをはなっていた。



黒髪の少年「なぁなぁ母さん。腹減った。」



桃色髪の女性「……。」



黒髪の少年「む〜いつもいつもなんで父さんと兄ちゃんの写真を眺めてんだよ〜。」



桃色髪の女性「ふ〜…光輝がもうちょっと大人になったら分かるよ♪。」



桃色髪の女性は立ち上がり、黒髪の少年に優しい笑顔を向ける。



そう…この黒髪の少年は過去の光輝である。



光輝(6歳)「俺はもうガキじゃねぇ。」



桃色髪の女性「あたしから見ればまだまだ子供♪。さて…お腹空いたんでしょ?よ〜し♪母さんが自慢の手料理を振る舞ってあげる♪。」



光輝(6歳)「え〜母さんの料理いつも焦げてるからヤダよ。父さんがいつも言ってたろ?「亜夢料理は僕が作るからいいよ」って。」



亜夢「うっ容赦無いねさすがあたしの息子性格まであたし譲りとは。」



桃色髪の女性の名前は「亜夢」。
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