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□兎に耳をかじられる
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「あーぶとっ! お茶でもどう?」
自室で始末書と言うなの地獄を片付けていた俺に、その元凶である団長こと神威が湯呑みを持って入ってきた。
「……団長自らが茶ァ持ってくるなんざ、珍しいな……」
明日はUFOでも戦艦に衝突するのかもな……いや、火の玉が降ってくるとかか?
「なに言ってんのサ、良いから飲め」
「……普通の茶だろなァ?」
「飲め」
「……」
絶対なにかある、確信して湯呑みに伸ばした手を引っ込めた瞬間……
無理やり口開けさせられ、一気に俺の胃にお茶が流し込まれた……
「ケホッ、ゲホッ! ……なに、すんだァ!」
「阿伏兎が飲まないからいけないんだろ?……あ、生えた」
「だからって無理やり飲ます野郎が……」
ちょっと待て、生えたってなんだ、生えたって……頭の方にすげぇ違和感があるんだがァ?猫耳的なアレが指に当たったんだがァ?
「阿伏兎似合うー、猫耳!」
……案の定だった、目の前には憎たらしい程の満面の笑みを浮かべた団長が、その生えてきた猫耳を甘噛みしていた。