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□素直な君も、
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「あ〜、くそ……」
目の前のベッドでは、阿伏兎がマスクして寝ていた。どうやら風邪を引いたらしく、昨日からこんな調子。
構ってくれる相手も居ない訳なので、仕方なく俺が看病してあげてるんダ。
「まったく、阿伏兎はだらしないなぁ〜。ちゃんと体調管理は怠らないようにしないと〜」
「……俺が何で風邪引いたか、分かってんのかァ?」
「知らないヨ? 聞いてないもん」
そう返したら、大きな溜息が聞こえた。
……あ、なんかムカつく。
「団長が俺に風邪移したんだろがァ!」
「あり? そうだっけ? 覚えがないケド」
「……3日も風邪を理由に人をこき使って、覚えてないはねェだろ……」
「あはは、こき使ってるのは何時もの事だからいちいち覚えてられないヨ」
「……悪ィ、アンタに説教したのが間違いだったァ」
「わかればいいんだヨ。……ねェ、阿伏兎」