book


□素直な君も、
1ページ/2ページ


「あ〜、くそ……」

目の前のベッドでは、阿伏兎がマスクして寝ていた。どうやら風邪を引いたらしく、昨日からこんな調子。
構ってくれる相手も居ない訳なので、仕方なく俺が看病してあげてるんダ。

「まったく、阿伏兎はだらしないなぁ〜。ちゃんと体調管理は怠らないようにしないと〜」

「……俺が何で風邪引いたか、分かってんのかァ?」

「知らないヨ? 聞いてないもん」

そう返したら、大きな溜息が聞こえた。
……あ、なんかムカつく。

「団長が俺に風邪移したんだろがァ!」

「あり? そうだっけ? 覚えがないケド」

「……3日も風邪を理由に人をこき使って、覚えてないはねェだろ……」

「あはは、こき使ってるのは何時もの事だからいちいち覚えてられないヨ」

「……悪ィ、アンタに説教したのが間違いだったァ」

「わかればいいんだヨ。……ねェ、阿伏兎」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ