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□やっぱり、兄妹
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ドゴッと言う、鈍い音と共に、木材で出来た扉が、破壊される…
跡形もなくなった扉の上には、朱色の髪を二つにしばり、セーラー服に身を包んだ、銀魂高校の生徒……神楽が仁王立ちしていた。
──いつものことだ。そう思いながら、大きな溜息をし、扉(だった残骸)に目を向ける。
「お前さんなァ…何度、扉破壊すりゃ、学習するんだ」
──と言う台詞も、何度言っただろか…どうせ、奴の耳には、届くこともない…
毎回毎回、扉直す、こっちの身にもなれってんだ、このすっとこどっこいが!
……っと…愚痴垂らしてる場合じゃねェな。
あいつ(神楽)が、此処、春雨と言われる、名高い不良グループに属する、第七師団と呼ばれる、たった二人の不良が住んでいるボロアパートに来るときは、必ず、アノヤローに用事があるときのみ……
「今日は何の用で? また番長に「バ力兄貴は何処アルカァ!!」
…おい、台詞かぶらせんなよ。
「番長なら、他校に行ってるぜ?」
「他校? また殴り込みアルか? 兄貴もあきないアルな」
「好きでやってるからなァ」
苦笑しながら、ドガッとソファに座っている神楽に、茶を出してやる。
「気がきくアルな、流石、パシリネ」
……決めた、今度からは、茶なんざ出さねー……学習した。
「兄貴は、いつ頃帰るアルか?」
「さぁな」
短く言い放ち、自分の学ランを手にする。「丁度、迎えに行こうと思ったとこだが──来るか?」
神楽に訊くと、湯のみの中のお茶を流し込み、頷いた。