RE!
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荷作りを終え荷物を持ったまま学校の応接室へと行き恭ちゃんと話しをつける事にした私は、今現在彼にトンファーを向けられています。
どういう事かというと、もう話しをし終えて彼に理由を迫られているのです。
「それはどういう意味だい?」
『そのままの意味よ?』
「…そんな理由で許すと思っているの?」
案の定、やっぱり彼は許してくれなかった。何て説明したのかというと、逃げたい人がいるから一週間学校休ませて、といったのだ。こんな理由で許してもらえると思ってなかったけど、予想通り過ぎて笑えちゃった。
笑ったら更に不機嫌になるだろうから笑わないでおくけど殺気向けるのはやめてほしいね。全く、彼は一般人なのに。どうしてあれだけ凄い量の殺気を出せるのだろうか。私には物凄く劣るけども?
『別にいいじゃない。たったの一週間くらい。シャマルにでも頼めばいいんじゃないかしら?彼なら喜んで引き受けるだろうに』
「は?イヤだよ、僕は」
『というより、もう言った後なの。彼、物凄く喜んで引き受けてくれたわよ』
「………」
ぶわっと更に殺気を込められたのは何故だろう。あ、勝手に決めるなって言いたいのかな?それだったら申し訳ないとは思ってるわよ。でももう決めた後なら何も言わないと思ったんだもの。それにシャマルは喜んで引き受けてくれたんですもの、今更やっぱり無理なんて言ったらどうするか。私がアイツに襲われちゃうわよ。
『さて、恭ちゃん。勝手に決めたことは謝るわ。けど、これは私にとって凄い大事なことなの。わかる?』
「子供扱いしないでくれる?……はぁ、もう勝手にすれば」
『!有難う、恭ちゃん』
頬に手を添えキスをした。そうしたら彼は固まってしまった。まさかの反応で少し笑えた。私はイタリア人。頬にキスをするなんてほんの挨拶程度って彼はわかっている筈なんだけどな。
でも、彼のお許しを貰えたから早いとこ日本を発たなきゃね。
(…あれは挨拶なんだよ、挨拶、挨拶、挨拶)
(んー、イタリアかぁ…今のイタリアはどうなっているのかしら?)