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□転校生は初日の朝が華
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5月。
新学期を過ぎGWを開けた登校日。
生徒達は休みから抜け出せずダラダラした様子が拭えない
今しがた朝のSHTのために教壇に立ったこの銀髪の教師もまた同じなよう ─常にと云えば常にだが─ で、気だるげな表情・声で生徒達に呼び掛けた。


「新学期も過ぎてやっとクラスが仲良く落ち着いてきたってこの時期に転校生が来ました。ったく面倒くせえ」

「先生ー、うちの学校は持ち上がりなんで1年からみんな一緒でーす」
「せんせー、女子ですか?男子ィィですか?」


“転校生”という誰もが騒ぎたくなるワードを聞いて例に倣い騒がしくなる教室内。そして手を上げて声を上げるのはこのクラスの生徒、土方十四郎と神楽だ。


「かーあいー女子もムカつくくれーな男子ィも数人来てます。…つかアレ?言ってなかった?うちの学校とある学園さんが姉妹校的な感じなんだけど理事長の考えで数人ずつ交換して一年一緒に勉強することになりましたーって」


銀八による爆弾発言で教室内の先刻までの騒がしかった空気に冷え切った視線が天パ教師に送られる。

「──ってそれめちゃくちゃ大事な事じゃねえか!何で今更言ってんだよ遅すぎんだろォォオ!!!」

すごい剣幕で机を叩きつけ全力で突っ込んだのはこのクラスのツッコミ担当志村新八
それに続いて他の生徒達もブーイングを告げる

「っせェな、先生も色々忙しかったんです。そんくらい許せテメェら」
「いや、そういう問題じゃなくね?そもそも教師としてどうなんですかその感じ!」

「ていうかうちの学校からは誰が出て行ったのかしら。行くべきゴリラとかゴリラとか人数が減っていない気がするの。むしろ逝ってくれないかしら」

「お、お妙さん、今のは何で変換すればいいですかっ!?か、カタカナでもいいですか○ーグルで検索すれば出て来ますか──ぐえっ」

志村弟に次いで姉の妙がにこりと爽やかに呟けば男子生徒…近藤ことゴリラが立ち上がり興奮したように捲くし立てればすかさず妙は笑顔二割り増しでその近藤の顔に拳をめり込ませた。
それはもう闘牛のような勢いで。

「あら嫌だわ、こんなところに野生のゴリラ。今日辺りぐ○れば出るんじゃないかしら“ゴリラの変死体発見”とか」


うふふと美しい、否恐ろしい笑顔を浮かべる彼女に一部 ─大半は慣れたのか楽しんでいるのか無表情─ が顔をひきつらせているとガラリと勢いよく教卓側の引き戸が開かれた
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