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□花芽出逢いし相の風02
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「すいません、参考にその塔を書いてもらってもいいですか?」
「ああ、構わない……筆、ではないのか?」
山崎から渡されたボールペンの存在に見たことがないと眉にしわを寄せる歳三に暫し首を傾げるもああ、と声を漏らす
「そちらではまだないんですね、ボールペン。大丈夫ですこれも物を書く道具ですから」
そう告げ歳三にボールペンと紙を渡せば恐る恐るというように塔の形を表していく
「こっこれは……!」
出来上がった絵に目を見開いたのは近藤だった
「かの有名なネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないかっ!」
その形は確かにいつだかに見た卑猥な物…いやアームストロング砲に似ていた
これは武器なのか?と訪ねる歳三に十四郎が気にしなくていい、と呆れたように呟いた
「まァとにかく。これについては山崎に調べてもらうから、それまでの間お二人にはここに居てもらおう」
「いいのか?いきなりそんなことを頼んじまって…」
忍びないと再度確認をする歳三に近藤はニィと人の良い笑みを向けた
「真選組は人々を守るのも仕事のうちだからな。新撰組の君達になら分かるだろう?」
そう暖かな言葉を告げる上司近藤に十四郎と総悟も安心したように目を細めた
「というわけみたいなんでこれから宜しく頼みまさァ、兄貴」
「こちらこそ。仲良くやっていこうよ総悟くん」
再び爽やかな笑顔を浮かべる二人に若干三名は頭を抱えることになったのだった
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