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□花芽出逢いし相の風02
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そもそも異世界の二人が何故この世界に来てしまったのかと言えば…─────
















本日非番だった沖田総司はいつものように子ども達と遊び(今日はかくれんぼ)をしていた時のこと
どこに隠れようかと境内から散策している最中子どもが何かを一心に見つめている姿に首を傾げ声を掛けた

「あっそーちゃん。ねぇここなーに?」
「どれどれ……何だこれは」


そこには今まで見たことのない蔦で隠されている小道があり、少し奥に見えるのは子どもの背くらいな石で出来た塔のようなもの
好奇の目を向ける子には可哀想だが得体の知れないその物体を沖田は危険と見なし、かくれんぼを中止させその場から子ども達を避難させた



「土方さん。ちょっといいですか?境内に見掛けない不審な塔を見付けましては」
「ああ?塔だ?何だそれは」
「いいから来てみて下さい」

屯所で休息を取っていた土方を呼び二人で先程の場所まで向かうと再びその不気味な塔に眉を寄せた

「…よく分からないな。ちょっと調べてみるか」

そしてその塔のてっぺんに土方が触れた途端その先から目も開けていられないほどの光が放たれ二人がその光に包まれ、その光が消えた時にはその場に人の姿も消えていた──















「───それで、気付いた時にはお二人はこっちにいた。ということですね」

監察方である山崎が二人の証言をメモしていく
 
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