イナズマ11

□冬
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「うー、さみぃ!!」
息を吐けば白い靄がでるほど外の気温は低かった

「さっきから寒い、しか言ってないな」
隣でそう呟くのは涼野風介だ

「だって寒いんだもん」
言い返すのは南雲晴矢

この2人、簡潔に言おう・・・バカップルだ


「なー、風介の手 かして」

「なんで」

「風介の手、暖かいから」

晴矢は風介をじっと見ながら問いかけた

「仕方ないな」
ん、と言って手を差し出す
すぐに晴矢の手が被さってきた

「あったけー」

「冷たい・・・なんでこんな冷たいのさ?」

「冬だから」
きっぱりと言ってみせた




しばらくの沈黙、切り出したのは晴矢だった

「なぁ風介、俺のこと好き?」
「は!?」
唐突に出た言葉に風介は顔を真っ赤にする

「な、なにを言って・・・」
「俺は好きじゃない」


「え?」
晴矢の言葉に少し顔を歪め、考えるようにして俯く

「あ、そうじゃなくて」

「?」

「俺はお前のこと愛してる、好きなんかじゃ足りないくらいな!」

瞬時に風介の顔が赤くなる
‘愛してる’なんてフレーズは晴矢が初めてだ
慣れない言葉に戸惑う

「はは、風介めっちゃ顔赤い・・・嬉しかった?」

「・・・・・・・」

「風介?」

「・・も・・・」
声が小さくて聞こえない
晴矢は風介との距離を詰めた

聞こえた言葉、それは・・・・・・

「私も・・あ、愛してる」

「風介」

互いの唇が触れる



「ばか、こんなとこでするなんて頭どうかしてるんじゃない?」

「いいんだよ!誰も見てねぇし」

「そういう意味じゃない」
風介はぷいっっとそっぽを向く

「じゃ・・続きは家でしよーぜ」
「はぁ!?ちょ、何考えて・・・」

風介の手を引き走る


この温もりをはなさないように・・・














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