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□良い耳この耳かって耳
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*現パロ&ギャグ フレユリ




「ただいま」
「おかえりーフレーン」

ここは僕とユーリの部屋、古いアパートの1室で同居生活をしている。
大学生の僕は試験が近いために休日でも学校に行って勉強をしないといけない日々。
逆に休日で仕事が休みだったユーリは、僕が帰宅をしても姿を見せずに声だけ返した。
いつも主人の帰りを待っていた犬のように、走ってお出迎えに来てくれるユーリが姿を見せないなんて珍し……くもない。ユーリが今何をやっているかなんて大体の想像はつく。
玄関で靴を脱ぎ、ブレザーをハンガーにかけてからユーリのもとに向かうと、やはりユーリは想像通りのものに夢中になっていた。

「そんなに楽しい?パソコン」
「あぁ!」

楽しいかと聞いただけでこの明るい返事、少しパソコンに嫉妬してしまう自分がいて嫌だ。
そんな僕の気持もしらないで、ユーリは画面に釘付けになりながら慣れない手つきで懸命にマウスを動かしている。先日購入したパソコン。二人で貯金をして買った念願のパソコン。買った当初はそこまでじゃなかったが、インターネットを繋いだ途端ユーリの目の色が変わり、暇があればこの有様だ。

「ユーリはパソコンでなにやってんの」
「え!………そりゃ、その………っ」

マウスを動かす手が止まり、あー…っと言葉を濁す。そんなに教えてはまずいものをパソコンで…?ますます気になる。
頭を抱えて悩むユーリにそっと近づきパソコンの画面を見ようとした瞬間、僕の気配に気がついたユーリがハッと頭を上げて素早い動きで開いていた画面をデスクトップに戻した。

「なんで隠すんだ」
「フレンが勝手に見ようとするからだろ!」
「ユーリが教えてくれないんじゃないか!」
「だから…あれだよ…アレ」

なぜか頬をほんのりと赤く染め、軽い咳払いをしてからぼそっと呟いた。


「ブラザぁ……ゲーム…」


……ブラザーゲーム?

「な……なんだよその反応!?悪かったなこの年にもなってゲームにハマって!!でもしょーがねぇじゃんパソコンじゃないとブラザーゲームできないんだから!」

ユーリの言うブラザーゲームとはなんだろう。ブラザー…ってことは兄弟ってことで間違いない。兄弟のゲーム…兄弟……男、男と男。

(はっ!ユーリはまさか、ぼ…ボーイズラブなゲームをパソコンで…!?そう言えばクラスの女の子がパソコンでやるゲームが面白いと言っていたが……まさかユーリにそんな趣味があったなんて……)

「…フレン?」

(いや、何を混乱しているんだフレン・シーフォ!むしろ同居しているユーリが男との恋愛が好きなんて僕には最高な話じゃないか!!)

「なに泣いてガッツポーズしてんだよ…」

感動のあまり握り拳を作ってしまい、慌てて咳払いをして平然を保とうとするが、ユーリにソッチの気があるなんて知らなかった。こうやって同居して毎日とは言わないがともに時間を過ごし夜になったら隣に布団を引いて寝るくらいの仲。別に恋人と言った関係ではなかったしユーリにその気がないと思っていたからこそ今まで抑えてきた感情が……


「どうしよう……ユーリ」
「……?」
「どきどきし過ぎて……はっ…爆発しそうだ…ッ」
「ナニ息荒くしてんだよフレン!落ち着け!!」
「だめだよ、もう抑えられない」
「ばっ……んん!」

ユーリの制止の声なんて聞く耳も無く、抑えきれない欲望のままに僕はユーリにキスをした。








「へ……browser…?」



ユーリがブラザーとブラウザの読み間違いだと知ったのは、ユーリの身体を一通り堪能してからの話。ユーリとしては社会人になってまでゲームで遊んでいたら、僕からバカにされると思って隠していたらしい。それ以前に自分の行為が恥ずかしくなり、怒ったユーリがしばらく僕を相手してくれなかったのは言うまでもない。



END


****
職場のパソコンだとネタが浮かんでしょうがない事実。
そもそもこんな聞き間違いする奴いるかよ!って?
え、私のことですが(゜_゜`)

12.9.10

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