オリジナルBL

□ちはや -千早-
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「春菜、好きだよ。」

何度目の告白だろう。
何度告白しても、本気に思われないなんて。
…仕方ないのかもしれないけど。
中学からの親友。
もう5年の付き合いになる。
一方的に惚れたのは僕のほう。



中学に入った頃。
僕は結構な問題児で。
自分で言うのは何だけど、頭は良かったから先生も僕には何も言えなかったし。
…可愛くない子供だったのは確か。
クラスでも1人だし、髪は染めて、授業はよくサボって屋上で煙草吸って。
上級生に殴られたり他校生に喧嘩を売られることもしばしば…。
…そんな僕が変わったのは、春菜がいたから。



「ねぇ…春菜、抱かせてよ。」
君はいつものように、
「お前の冗談は笑えねー。」
って言う。
…わかってる。
それでも良いよ。
君の傍にいられるなら。



女みたいな名前のやつだ。と、クラスの自己紹介の時に思った。
初日から剣道部に入って、その実力はずば抜けていた。
名前の割に男らしい。
奴は周りに溶け込むのが早く、2日目には上級生からも名前を呼ばれていた。
1週間もすれば奴はクラスの中心にいた。
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