オリジナルBL

□Sunset Color
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 高校に入って、ひと月が過ぎた。
 他の中学から来たみんなとも打ち解けて、グ ループが出来て落ち着いてきた頃。

 1日の終業を告げるチャイムが鳴った。
 バタバタと教室を出ていくクラスメイト。
 一番後ろの席。机の上で突っ伏して寝ているのは、麻倉郁弥。
 「郁弥!帰ろうぜ!」
 「無駄だって。コイツ爆睡してるときって何やっても起きねーよ。」
 揺すったり、頭を叩かれているのに全く起きる気配がない。
 麻倉とは何度か話したことがある程度で、特に仲が良いわけでもなければ、プライベートで遊んだりなんてこともない。
 そもそもタイプが違う。
 麻倉郁弥は、どちらかと言うとアグレッシブな体育会系タイプ。
 そして、真面目な優等生タイプ、湊川遥斗。
 

 今日はたまたま、麻倉が寝ていて起きず、友人に先に帰られてしまい、
 今日はたまたま、湊川が学級委員で、教室の鍵を閉めなければならず、
 仕方なく麻倉が起きるまで本でも読んで待っていようと、彼の隣の席に座って小説を読み始めた。
 どれくらいの時間が経ったのだろうか。
教室は暖かい光でいっぱいになっていた。
 オレンジ色の光が教室中に広がって、思わず、
 「キ…。」 
 「キレイだ。」
 隣から聞こえてきた声に驚く。
今、同じタイミングて同じ言葉を言おうとした。
 彼はいつの間に起きたんだろう。
 小説を読むのに集中しすぎていて、彼がいつ起きたのかも気付かなかった。
 「おはよう…。」
 そう遠慮がちに声を掛けると、こっちを見て、
 「おはよ。」
 と笑い掛けてきた。
 「なぁ。こっち、来てみろよ。」
 言われて、彼の隣に移動する。
 太陽がゆっくりゆっくりと沈んでいく。
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