オリジナルBL
□Sunset Color
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明日からこのクラスでどんな顔すればいいんだ…。
悶々としているのに気付いたのか、気にするな、と言ってきた。
「キレイな夕陽を見て、たまたまそこにお前がいたから、ってことで良いんじゃね。」
すっかり暗くなってしまった教室。
そう、たまたま。
たまたまだったんだけれど…。
「……じゃあ、たまたま居たのが俺じゃなかったら、他の奴と、してたのか…?」
そう聞くと、麻倉は、天井を見上げて少し考えて。
「…かもしれない。」
と答えた。
「湊川だって、そうだろ?居たのが、たまたま俺だったから。」
…そうだろうか。
「事故みたいなもんだ。」
そう言われて、落ち込んでいる自分がいることに驚いた。
事故…。
たまたま居たのが他の奴だったとしても…?
…いや、他の奴とこんなことするはずがない。
そう、あの時。
夕陽でオレンジに染まった教室の中で。
麻倉郁弥、を、キレイだと思った。
あのときに、惚れてしまっていたんだ。
…そんなことに気付いてしまっても、どうすることもできないけれど。
「……。」
ちゅ。
そっと唇を重ねると、麻倉は驚いたように、こちらを見ていた。
2016.8.2