オリジナルBL

□恋愛の時間5 -夏希-
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白い、可愛らしいビキニを身につけたりょうこさんが駆けてくる。
「なっちー!!」
そんな大声で呼ぶから・・・回りの視線が痛い。
夏休みに入って、俺とりょうこさんと来栖の三人は電車で30分程にある海岸へと来ていた。
「なっち、雷、水着、似合ってる、かな?」
りょうこさんの胸元についているリボンが可愛く揺れた。
「うん、可愛いよ。」
って・・・。まるでカップルのようなセリフだ。
「まぁ〜、悪くなぃんじゃねぇの?」
レンタルしたビーチパラソルを開きながら、来栖が答えた。
「ほんと!?良かったー。」
りょうこさんは嬉しそうに笑って、来栖が立てたパラソルの下に座った。
「さすが夏休みだけあって、結構混んでるね。」
りょうこさんの隣に座って、海のほうを眺める。
「そろそろ昼時だしな。海の家も混んでたな。」
電車の中で、俺が作ってきた弁当を三人で食べたから、昼食の心配はいらないんだけど。
「かき氷でも買ってくるか。」
着替えた服が入っている袋から来栖が財布を取り出す。
「夏希は何味が良いんだ?」
「え・・・?俺はかき氷は・・・。」
「いらねぇの?じゃありょうこは?」
「買ってくれるの?!」
「仕方ねぇなぁ。」
こんな風に三人でいるなんて、学校みたいだな、なんて思う。
「じゃあ買ってくるわ。」
「行ってらっしゃーい。」
りょうこさんが来栖に手を振った。
「なんか雷、最近、優しくなった気がする。」
「・・・そうかな?」
「うん。・・・特に、なっちに優しい気がする。」
「!」
何か感づかれたのかもしれないと思って、思わずりょうこさんを見てしまった。
「初めはあんなに喧嘩ばっかしてたのにね。」
俺に向けられた笑顔を見て、そういうわけじゃない、ってことがわかった。
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