オリジナルBL

□rain 3
1ページ/9ページ

告白しても、結局返事は貰えなかった。
ほぼ、見込みは無いとわかっていたけれど。
相手は10歳も離れた年上の大人の人。
高校生なんて相手にしないだろうなんてこと、わかってる。
初めて会って、SEXしたあの日も、遊び、だとはっきり言われたのだ。
昨日のデートだって・・・。
遠回しに、フラれたんだろうか。
それとも、まだ希望はあるんだろうか。
ずっと気になって、眠れなかった。
明け方になってやっと眠れたと思ったら母に叩き起こされた。



午前中の授業は爆睡だった。
昼食を食べて、夕紀のところへ向かおうと弁当箱を片付けていると、クラスメイトで部活仲間の亨に声を掛けられた。
「一希、沙耶香ちゃんが来てるけど?」
・・・・・・沙耶香。
3年に上がってクラスが変わってから、自然消滅になったと勝手に思っていた「元」彼女。
夕紀のことが気になりすぎて、彼女を放ったらかしにしていた、というほうが正しいかもしれない。
今更、何の用なんだろう、と思いながら、教室を出る。

人目が気になるのか、移動しようと言った彼女に従って、中庭へとやってきた。
「あのさ、一希くんってさ・・・。」
・・・今日は夕紀に会いに行けないかもしれないな、なんて考えながら彼女を見た。
「私と、付き合ってるんだよね?」
・・・なんだ。
まだ彼女の中では終わったことになっていなかったのか。
「メールもくれないし、電話しても全然出てくれないし・・・。」
「・・・部活とか、忙しいから。帰ったらすぐ寝てしまうし・・・。」
夕紀に会うまでは頻繁にメールや電話に付き合っていたのに。
・・・適当に言い訳して、出来れば、別れられれば、良いんだけれど。


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ