オリジナルBL

□rain 2
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「藤咲先生、良いですか?」
声と同時にガラっと、今入って来たばかりの扉が開いた。
「昨日のことなんですけれど・・・。」
そこまで言って、一希に気付いた彼女は口を閉じた。
家庭科教師の小椋先生・・・・・・。
なかなかの美人で、男子生徒には人気がある。
「昨日?何の話だっけ?」
・・・・・・。
昨日。
あれは小椋先生だ、と瞬時に悟る。
「え・・・。」
夕紀にはぐらかされて、言いたいことがあるんだろう。
生徒の前で話す内容じゃないから、チラチラと一希を見てくる。
夕紀が何も言わないので諦めたのか、
「・・・また、後日。」
と言い残して部屋を出て行った。
「良いんですか?」
「何が?」
「昨日言ってた、デートの話じゃないんですか?」
「そうかもね。」
「・・・。」
「夕紀さん、昨日約束、してたじゃ・・・。」
「したけど。」
「・・・。デート、するんですか?」
「・・・どうだろうね?」
・・・。
夕紀はいつも。そうやってはぐらかす。
「あの先生、男好きって聞いたけど・・・。」
・・・ただの噂だけど。
「知ってるよ。」
・・・夕紀の答えは、意外だった。
「それで、どこ、行くの?日にちは次の日曜にする?」
「は?」
急に話を変えられて、頭が追いつかない。
今、小椋先生の話をしていたんじゃなかったのか・・・?
「デート。行き先決めようって、今朝言ったじゃん。」
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