オリジナルBL

□rain 2
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驚いたように見つめられる。
「確かに、彼女はいましたけど。夕紀さんと出会ってからは二人で会ったりなんてしてないですし、もう、付き合ってるといえる状態なのか、わかりません。」
夕紀はじっと見つめたまま動かない。
「俺が夕紀さんに気があるってことを面白がって、遊んでるんですか・・・。」
「・・・遊ぶって・・・?」
「・・・・・・お昼に、誰かとデートの約束・・・。」
言ってしまった。これじゃあ、ただの、嫉妬・・・。
「あ。」
思い出したように夕紀が口を開いた。
「あれ、聞いてたんだ?」
・・・。
「僕と、デートしたい?」
「・・・そりゃぁ・・・。」
「良いよ。」
・・・さっきの女性への答えと同じ・・・。
「・・・・・・夕紀さんは、誰とでもデート、するんですね。」
「・・・どうかな?」
「SEXだって・・・。」
「・・・・・・。」
何も言わない夕紀が、辛い・・・。
嘘でも、否定してくれれば、良いのに。
「俺・・・無かったことになんて、したくないです。」
自分より、ほんの少しだけ低い位置にある唇に軽く口付けた。
夕紀は驚いたように目を見開いて。
「夕紀さんも、俺とのこと、無かったことになんて、しないでください。」
「・・・・・・。」
何も言わない夕紀を置いて走っていく。
駆けていく一希の後姿を見ながら、まいったな、と、残された夕紀は一人、呟いた。



「おはよ。」
翌日。
何事も無かったように、校門で夕紀に声を掛けられた。
「・・・おはようございます。」
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