オリジナルBL

□rain 2
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「どうして、言ってくれなかったんですか。」
「何が?」
「夕紀さんが、ここの、教師だって・・・。」
「一希くんのお母さんには言ったじゃん。」
「・・・・・・あれは。俺のために言ってくれたんだと・・・。」
「あ、ほら、もうすぐチャイム鳴るよ?休憩時間はおしまい。」
「・・・・・・。」
夕紀と再会して今日で5日目。
始業式の日から数日、夕紀と話せる時間がなくて、(夕紀が女子生徒に囲まれていたからでもある。)まともに話せたのは今日が初めて、と言ってもいいくらいだ。
藤咲 夕紀。
27歳。数学教師。
夕紀が始業式の壇上で挨拶したときを思い出す。
・・・思っていたより年齢が上だったけれど。
・・・夕紀が数学教師だなんて有り得ない!なんて思ってしまったけれど。
夕紀の授業を受けて、教室で黒板に数式を書いているところなんて見惚れてしまった。
一度SEXした、だけの関係。
・・・夕紀の中ではもう、無かったことにされているかもしれない。



昼休憩は夕紀の、元、美術準備室で過ごした。
夕紀はPC(いつの間にか持ち込んでいる)を弄りながら、栄養食品、を口にしている。
「夕紀さん、ちゃんと食べないと身体、壊しますよ・・・?」
「だって、学食とか行ったら、面倒じゃん。」
理由は、女子生徒に囲まれるから。って・・・。男としてはなんて羨ましいことなんだろうと思う。
「僕は、高校生なんて子供に興味ないの。」
子供・・・。
「・・・・・・卒業したら、良いんですか?」
「?」
「・・・何でもないです。」
卒業したら、希望が持てるんだろうか?
もやもや考えていると、夕紀が口を開いた。
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